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対馬の昆虫の類型
A 大陸−対馬タイプ 大陸系種 対馬の生物相を語るとき、一番引き合いに出されるのがこのタイプの昆虫です。
対馬には
日本本土には分布せず、朝鮮半島や中国大陸に分布する種や亜種が数多く生息しています。 これらの昆虫の多くは、かつて対馬が大陸と陸続きであった時代に陸橋を渡って侵入したと考えられています。
しかし、対馬と本土は海峡によって分断されていたため分布を広げることができず、その後大陸と対馬の間にも海峡が成立し、島に隔離されたものと思われます。
B 対馬−本土タイプ 日本系種 日本本土と対馬に分布するが、朝鮮半島や中国大陸からは現在まで記録がない種です。
代表的な種として、ゲンジボタル・クマゼミなどがいます。
C 大陸−本土タイプ 欠落種 一般的に島は面積が狭く、多様な生物が生息するために必要な条件が十分整っていません。 そのために、近隣地域に広く分布する種が欠落していること多くみられます。
D 対馬−亜熱帯タイプ 南方系種 対馬には亜熱帯性の昆虫も生息しています。
対馬が今よりももっと温暖であった時代に分布していたものが、そのまま環境に適応し残ったものと、黒潮−対馬暖流の影響を受けながら分布を広げてきたものに分けられるようです。
E 対馬−寒冷帯タイプ 寒地性種 本州の高山帯、、東北地方、北海道などの寒冷地を主な分布域にもつ種も生息しています。
対馬の緯度は、ほぼ本州の広島−大阪−東京都の大島のラインにあたります。 しかし、対馬の夏季の平均気温はこれらの地域に比べて低く、この冷涼な気象条件が寒冷地性の昆虫の分布を可能にしている要因の1つであることは間違いありません。
F 特産(亜)種 特化種 世界でも対馬だけに産する種または亜種です。
ただし、亜種については研究者によって見解に違いがあったり、軽微な形態の違いや被検標本が十分でないままに命名する安易な処理の仕方もみられるので,難しいところです。

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