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 ■判別の難しいヤブキリの仲間  ウスリーヤブキリ  Tettigonia ussuriana  【キリギリス科】
日本のヤブキリについては分類がまだ確定していないようです。

「バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑」(北海道大学出版会)にもヤブキリの分類は難しいと書いてあります。 図鑑では鳴き声・形態・生息環境から4種にまとまられていますが,その内ヤブキリ・(ツシマ)コズエヤブキリ・ウスリーヤブキリの3種が対馬から記録されています。

ウスリーヤブキリは,対馬のヤブキリの中で最もレアなヤブキリです。 産地も,まだ2か所しか把握できていません。 
国外での分布は不明。 朝鮮半島には生息するようです。
▲やや褐色を帯びた♂  2014.07.17  厳原町
 
丹念に探索すると,時折あちこちから「ジリリ・ジリリ・・・」と鳴き声が聞こえてきます。 生態図鑑には『区切らず鳴く』と書いてありましたが,しっかり区切っていました。 昼間だから正式な鳴き声ではなかったのでしょう。

他の2種(ヤブキリ・ツシマコズエヤブキリ)とは翅の違いの他にも,胸部背面の模様や全体的な印象がかなり違って見えました。 

この場所では1か月後の8月中旬には姿が消えました。 発生期は短いのか,移動したのかは分かりませんでした。
 
2014.07.17  厳原町    2014.07.17 厳原町
 
   
 
▲この発生地で最初に見つけた個体 すぐに逃げてしまった  2014.07.11    2014.07.17 厳原町 


他の2種(ヤブキリ・ツシマコズエヤブキリ)とは翅の違いの他に,胸部背面の模様や全体的な印象がかなり違って見えます。
今回は正確を期するため画像をご専門のmushihachuさんに確認していただきました。

成虫の出現期はせいぜい8月上旬頃までで,8月中旬には姿を消しました。
2017.06.18 厳原町 2017.06.18 厳原町
2017.06.18 厳原町 2017.06.18 厳原町

 



 
   
対馬のヤブキリ
ツシマコズエヤブキリは対馬では全島的に見られるらしいのですが,ヤブキリより出会う機会は極端に少ない感じです。 
翅がヤブキリより幅狭く,均一的で尾端より遙かに長いのでウスリーヤブキリとは区別されます。
▲ツシマコズエヤブキリ Tettigonia tsushimensis  2014.07.14 
2014.07.14     2014.07.14
 
▲亜終齢幼虫  2014.06.13    2014.06.13 
 


 
   
ヤブキリは下島に広く生息しています。 (上島は未調査)
時に脚が黒くなる変異があり,対馬に特有のものなのか興味が持たれます。 
 
 ▲ヤブキリ Tettigonia orientalis  2014.06.23
 
2014.06.23    2014.07.05 
 
 2014.06.23    2012.08.23

直翅類ご専門のmushihacyuさんのお話では,これは「褐色型」でも「黒化型」でもないそうです。 黒化程度には,脚がほぼ黒色になるものまで変異に連続性が認められることから「型」とはいえず,黒化した個体というのが正しいとご教示いただきました。  
 
▲脚が黒化した個体  2014.08.25    2014.08.25