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 ■秋に鳴くセミ チョウセンケナガニイニイ  Suisha coreana Matsumura  【セミ科】 
 
※ジャンプします…。                

 
チョウセンケナガニイニイは
秋から晩秋にかけて出現する珍しいセミで,日本では対馬だけに生息しています
対馬各地で鳴き声が聞かれますが,分布は非常に局地的です。 生息環境の悪化に伴い次第に生息域が狭められています。 ニイニイゼミより一回り大きく,
体中が細く長い毛で覆われています。
鳴き声はややかん高く,チィーッ、チィーッ、チィーッと鳴き,ニイニイゼミのようにチッチッチッという断続音を発することはありません。

生態等不明な点が多く,研究の興味をそそられる対象です。 外国では朝鮮半島・中国に生息しています。
 
  内に点在し,隔離される生息地  
生息地の記録は全島的に広がっていますが,現在は鳴き声が聞かれなくなった所が何か所もあります。 上対馬町から記録がないのは不思議です。

通常,コナラやクヌギなどの小規模な林に生息しています。 樹冠付近の小枝で鳴いていることが多く,姿を見つけることはなかなか難しいものがあります。 枝には下向きなることはなく,馬乗りの格好で止まります。(下の画像では円のなかにいます)
 
 ▲ チョウセンケナガニイニイ Suisha coreana (Matsumura,1927)  既産地と樹冠付近の細い枝に止まって鳴いている♂ 2013.10.21
 
  く長い毛に覆われた体  
チョウセンケナガニイニイの一番の特徴はなんといっても体全体を覆う細く長い毛です。 
このようなSuisha属のセミは東アジア地域に固有の属で,日本から中国にかけて2種類しかいません。 台湾には別種ケナガニイニイ(Suisha formosana)がいて,秋期から冬期にかけて出てくるといわれています。
▲ チョウセンケナガニイニイ Suisha coreana (Matsumura,1927)  2017.10.04 対馬市上県町
▲ チョウセンケナガニイニイ  2004.10.23 対馬市上県町    ▲ チョウセンケナガニイニイ 2010.10.30 対馬市上県町
 
▲ チョウセンケナガニイニイ 逆光に浮かび上がる体毛  2012.10.20 対馬市上県町    ▲ チョウセンケナガニイニイ 全身が毛で覆われているのが分かります 2010.11.03
▲ チョウセンケナガニイニイ Suisha coreana (Matsumura,1927)  2019.10.11 対馬市上県町
 
 ▲ チョウセンケナガニイニイ Suisha coreana (Matsumura,1927)  新鮮な個体は胸背部に毛が見られます 2014.10.14 対馬市上県町 


 
  き方と鳴き声  
 
鳴き方については一日を通して,どこかの時間帯に集中するというような感じはありません。 

おおよそ午前9時前後になるとあちこちで予鳴きが始まり,1頭が本鳴きに移ると次々に周りも鳴き始めます。 その後,一斉に鳴き止んだり,また鳴き始めることを夕刻まで続けることになります。 もちろん,その日の気象条件によっても鳴き方が違ってくるようです。

例外的なことかもしれませんが,日没後,あたりが暗闇に包まれてからも鳴いた個体がいたのには驚きました。
▲ チョウセンケナガニイニイ Suisha coreana (Matsumura,1927)   2009.10.24 対馬市上県町 
 ▲ チョウセンケナガニイニイ 2013.10.12 対馬市上県町   ▲ チョウセンケナガニイニイ 2013.10.14 対馬市上県町 
 
 ▲ チョウセンケナガニイニイ 2010.10.23 対馬市上県町    ▲ チョウセンケナガニイニイ 2009.10.24 対馬市上県町
 
   
 鳴く様子を動画撮影しました。 
コンデジなので画質・音質ともによくありませんが,雰囲気は伝わると思います。 腹部を上下に振るわせて懸命に鳴く姿はなかなか迫力があります。
 
 ▲ チョウセンケナガニイニイの鳴く様子  2013.10.12 対馬市上県町   ▲ チョウセンケナガニイニイ 鳴く様子のまとめ 対馬市上県町 

 
▲ チョウセンケナガニイニイの鳴き声 Suisha coreana (Matsumura,1927)  2011.11.03 対馬市上県町 

▲ チョウセンケナガニイニイの鳴き声 Suisha coreana (Matsumura,1927)  2019.10.28 対馬市上県町産

▲ チョウセンケナガニイニイの鳴き声 Suisha coreana (Matsumura,1927)  2020.10.23 対馬市上県町

▲ チョウセンケナガニイニイの鳴き声 2020.10.19 対馬市上県町 ▲ チョウセンケナガニイニイの鳴き声 2020.10.19 対馬市上県町 

▲ チョウセンケナガニイニイの鳴き声 Suisha coreana (Matsumura,1927)  2020.10.19 対馬市上県町


  化  
 
 羽化を数回観察することができました。

羽化する時刻については,他のセミに比べて昼間に羽化する傾向が強いのは確かですが,基本はやはり夜間日没後に行われると思います。
 ▲ チョウセンケナガニイニイ Suisha coreana (Matsumura,1927)  羽化が終了し,体が硬くなるのを待つ 2011.10.08 対馬市上県町
▲ チョウセンケナガニイニイ Suisha coreana (Matsumura,1927)  羽化後,下草で休む 2018.10.21 対馬市上県町
 
 ▲ チョウセンケナガニイニイの羽化 Suisha coreana (Matsumura,1927)  13:15 〜 14:50    2014.10.06 対馬市上県町   
 

 2011年,この年は何としてもチョウセンケナガニイニイの羽化シーンが撮りたくて,3連休を利用して発生地に通い詰めました。
 
幸運なことに1日目に羽化途中の個体 を見ることができたからです。 そして最終日の午後4時前になってついに地上に出てきた幼虫を見つけ,脱皮の全てを観察することができました。

3日間の記録です。(気象データは上対馬町鰐浦)
2011/10/8の記録(5個体) 最低18.0 最高23.7 風速1.9
  1 (11:58)脱皮途中 クロスズメバチに捕食される
  2 (12:11)脱皮途中 (12:25)脱皮完了
  3 (12:13)脱皮完了直後
  4 (12:21)脱皮開始直後
  5 (13:51)脱皮完了直後 羽化不全
2011/10/9の記録(1個体) 最低18.5 最高23.6 風速2.7
  1 (13:30)脱皮直後 ※林先生も確認
2011/10/10の記録(5個体) 最低18.9 最高23.5 風速2.5
  1 (15:43)幼虫 
  2 (15:46)幼虫 画像・動画の個体
  3 (16:48)幼虫
  4 (17:52)幼虫
  5 (17:44)幼虫

この3日間が他の日と違って特異なのは,「日照時間が10時間前後である」 「最低気温が18度を超えている」 「風が弱い」ということです。 
このあたりに昼間に羽化する条件のヒントがありそうです。
▲ チョウセンケナガニイニイの羽化 Suisha coreana (Matsumura,1927)  〜歩く幼虫から完全羽化まで   2011.10.10 対馬市上県町 

▲ チョウセンケナガニイニイ 羽化場所を求めて歩く幼虫 2011.10.10 対馬市上県町   ▲ チョウセンケナガニイニイ 羽化の様子 2011.10.10 対馬市上県町 

▲ チョウセンケナガニイニイ 2015.10.8 対馬市上県町 ▲ チョウセンケナガニイニイ 2015.10.8 対馬市上県町


日中羽化の記録
2011年〜2018年の日中羽化の記録を表にまとめました。この他にも目撃したが写真に記録として残していないものについては除外しました。
日中羽化は発生初期から見られ,10月20日を過ぎるとほぼ見られなくなりました。
連続する2日間の調査(2011年11月8〜9日・2012年10月13〜14日;20〜21日・2017年10月4〜5日)において,前日午後3時頃まで目に付いた全ての脱皮殻を回収しましたが,翌日同じ場所に新たな脱皮殻が見つかることもありました。

夜間羽化の記録
虫友の日下部満氏は2015年?2018年にかけて夜間調査(厳原町)を行いました。
2018年10月はほぼ毎日,雨の日も台風の日も実施されました。結果は期間中に夜間羽化総数206個体を確認,特に雨の後は多くの羽化が見られたということです。この4年間で10月22日以降の夜間羽化は観察できませんでした。日中羽化の終見記録が10月21日であるのでほぼ符合します。この時期が本種の新たな羽化の終期と考えてよいようです。

また,日下部満氏の夜間観察では全く羽化を見ることができなかった日があったといいます。氏の情報を元にその日の夜間の気温を調べた結果,気温は11〜12℃でした。(嚴原観測所)この気温以下に冷え込むと羽化には厳しいようです。

チョウセンケナガニイニイの羽化に関する記録を提示しました。単なる観察記録の域を出ていませんが,今は事実を積み重ねることによって少しずつ生態も明らかになっていくと思われます。

▲ チョウセンケナガニイニイの羽化 Suisha coreana (Matsumura,1927)  2015.10.14 対馬市上県町
▲ チョウセンケナガニイニイの羽化 Suisha coreana (Matsumura,1927)  2015.10.14 対馬市上県町
▲ チョウセンケナガニイニイの羽化 Suisha coreana (Matsumura,1927)  2019.10.23 対馬市上県町
▲ チョウセンケナガニイニイの羽化 Suisha coreana (Matsumura,1927)  2019.10.23 対馬市上県町
▲ チョウセンケナガニイニイ Suisha coreana (Matsumura,1927)  羽化不全 2020.10.19 対馬市上県町


羽化場所は脱皮殻によって知ることができます。
今まで数百単位の脱皮殻を見てきました。林床の様子など,発生地の環境の違いはあるものの概ね以下のようででした。
 ・林床の下草や小枝より幹廻りの大小にかかわらず樹木の幹が多い。
 ・ほとんどの脱皮殻は地上高50cm以下から見つかる。目線より高所から見つかるのは稀であった。(最も高所だったのは,クヌギで約3m)
 ・地表は適度の湿度が保たれている場所である。
▲ チョウセンケナガニイニイ Suisha coreana (Matsumura,1927)  地表近くの下草の脱皮殻 2011.10.16 対馬市上県町 
     
▲ チョウセンケナガニイニイ Suisha coreana (Matsumura,1927)  脱皮殻のいろいろ 対馬市上県町 
▲ チョウセンケナガニイニイの脱皮殻 Suisha coreana (Matsumura,1927)  2018.10.21 対馬市上県町
▲ チョウセンケナガニイニイ脱皮殻 Suisha coreana (Matsumura,1927)  2019.10.16
▲ チョウセンケナガニイニイの脱皮殻 2021.10.03 対馬市上県町 ▲ チョウセンケナガニイニイの脱皮殻 2021.10.03 対馬市上県町
▲ チョウセンケナガニイニイ Suisha coreana (Matsumura,1927)  脱皮殻に多数見られた木 2021.10.03 対馬市上県町


       
  尾  
 
交尾は5例観察しました。  

5例ともに正午前後に交尾が行われていました。 交尾型は「反向型」といわれるものです。

 1 2011/10/15 11:33
 2 2012/10/14 12:24
 3 2012/10/20 11:01
 4 2013/10/12 12:20
 5 2016/10/23 12:46

アロエで人工飼育した記録によると,2年ほどで成虫になったといいます。 これはやっぱり自然状態に比べると早いのでしょうね。 幼生期の知れた他種のア ロエ飼育と自然状態での相関から類推するとどうなんでしょう。 
また,産卵は高所の枯れた枝に生み付けるとも書いてあったと記憶しているのですが,観察し た人は凄い! よく見つけることができたものだと感心します。
 ▲ チョウセンケナガニイニイの交尾 2011.10.15 対馬市上県町   ▲ チョウセンケナガニイニイの交尾 2012.10.14 対馬市上県町 
11:33
いつ頃から交尾していたのかは不明ですが,発見後30分ほどで交尾を解き,ほどなく♂は飛び去っていきました。
12:24
中胸背の膨らみの感じから下の方(写真向かって左)が♀と思われます。本種は通常,枝に馬乗りの姿勢で静止することが一般的なので,このように下向きになることは珍しいことです。
 
 ▲ チョウセンケナガニイニイの交尾 2012.10.20 対馬市上県町    ▲ チョウセンケナガニイニイの交尾 2016.10.12 対馬市上県町
11:01
交尾姿勢をとっていますが,よく見ると連結していないようなので交尾を解いた直後だったと思われます。
12:20
高所の横に伸びた枝上で行われていました。
▲ チョウセンケナガニイニイの交尾 Suisha coreana (Matsumura,1927)  2011.10.15 対馬市上県町 

▲ チョウセンケナガニイニイの交尾 Suisha coreana (Matsumura,1927)  2016.10.23 対馬市上県町
12:46
交尾の瞬間を目撃することができました。鳴いている♂をしばらく見ていると,通常の鳴き声から急に「チッ・チッ・チッ・チッ…」と短く断続的なものに変化しました。すると近くにいた♀が近づいていき,瞬時に交尾か成立しました。逆光でなかったら動画で撮れていたのに…残念。 

  産卵  
 
▲ チョウセンケナガニイニイの産卵 Suisha coreana (Matsumura,1927)  2013.10.16 対馬市上県町 
11:47
細く横に張ったオニグルミの枝にいた♀を見ていると,約7分後に腹部を曲げて産卵行動の姿勢をとる様子が認められました。観察位置が悪く,産卵管の確実な挿入までは確認でませんでしたが間違いないでしょう。
この産卵木は樹皮の様子から生木ではまりませんが,枯れの程度までは確認できませんでした。


  
  敵 〜危険がいっぱい!  
 
鳥類にも捕食されていると思いますが,その機会には出会えていません。2014年に生息地周辺にアトリの大群が渡ってきていましたが,近くに群れが来ると一斉に鳴き止む様子が観察されました。

また,厳原町の発生地で夜間観察をされている日下部満氏によって,アシダカグモの一種,オオゲジ,ツシマカブリモドキ,カマドウマの一種,ヤブキリの一種によって羽化途中の個体が捕食されている事例が観察されています(日下部氏私信)。その他にも,夜間徘徊のヒメオサムシやカメムシ類などの昆虫,大型ほ乳類のツシマヤマネコやツシマテン,イノシシなどにも捕食されている可能性があります。
▲ チョウセンケナガニイニイ 羽化の途中,クロスズメバチ(Vespula flaviceps )に襲われる 2011.10.08   ※右下の画像は同じように捕食されたと思われる別個体 
羽化途中で襲われたようです。
頭部から体液が出ていたのでよく見ると,クロスズメバチに捕食されていました。しばらくすると重みで落下しましたが,尾端を噛み切り,肉団子にして運び去ってしまいました。
▲ チョウセンケナガニイニイ Suisha coreana (Matsumura,1927)  羽化不全の個体 2021.10.03 対馬市上県町
▲ チョウセンケナガニイニイ Suisha coreana (Matsumura,1927)  羽化不全の個体を襲うクロスズメバチ 2021.10.03 対馬市上県町
羽化不全個体が見つかりました。右前翅の様子から飛ぶことは厳しそうです。
やはりクロスズメバチが見逃してはくれませんでした。アタックして落とすと,まずは翅を付け根から噛み切るつもりのようでした。

▲ チョウセンケナガニイニイ Suisha coreana (Matsumura,1927)  キイロスズメバチに捕食される羽化途中の幼虫 2015.10.10 対馬市上県町
本種は他のセミに比べて日中羽化の頻度が高いので,必然的にスズメバチ類に襲われる確率も高くなります。羽化開始後頭部が出た段階の幼虫をキイロスズメバチが補食していました。繰り返し肉団子にして持ち去るのを見ました。
また,この時季は近年対馬に侵入した外来種のツマアカスズメバチが最大数となります。鳴いているチョウセンケナガニイニイに対してもアタックをしかける行動を何度も見ましたが捕食には至りませんでした。
 
▲ チョウセンケナガニイニイ Suisha coreana (Matsumura,1927)  ジョロウグモ(Nephila clavata ) の巣にとらわれる 2011.10.09 対馬市上県町
 
 ▲ チョウセンケナガニイニイの天敵 13.10.12 対馬市上県町    ▲ チョウセンケナガニイニイの天敵 2011.10.15 対馬市上県町 
▲ チョウセンケナガニイニイ ジョロウグモに捕らえられる Suisha coreana (Matsumura,1927)  2018.10.21 対馬市上県町
毎年ジョロウグモに捕らえられているのを見ているので,実際はかなりの数になると思われます。捕らえられている巣の高さはおおむね地上1m以下に張られたものでした。

▲ 羽化途中にサシガメに襲われてしまったようです  見つけたときには3頭のヨコヅナサシガメの幼虫がたかっていました 17.10.10
発見時には5頭のヨコヅナサシガメの幼虫がたかっていましたが,撮影しているうちに散ってしまいました。近くにも数頭のヨコヅナサシガメが見られました。恐らく吸汁されていたと思われるが口吻を刺しているところまでは確認はできませんでした。
13時頃の観察ですが,複眼などの状態から夜間に襲われた可能性が高いと思われます。

▲ チョウセンケナガニイニイ Suisha coreana (Matsumura,1927)  ボーベリア菌に侵されたと思われる橙色型 17.10.10 対馬市上県町
天敵の範疇に入れてよいのかどうか。ボーベリア菌は昆虫の体に取り付き,菌糸を体中に張り巡らし体内の水分を奪って殺すといいます。恐らく,セミカビといわれる白きょう菌Beauveria bassianaと思われます。

 
 
  異 〜橙色型  
 
ニイニイゼミには体色が橙色になる変異が見られますが,チョウセンケナガニイニイにおいても稀に橙色型が出現します。出現率について定量的に調べていませんが,かなりの個体数を見てきた印象としては40〜50頭に1頭程度でしょうか。
 ▲ チョウセンケナガニイニイ 橙色型 2013.10.16 対馬市上県町    ▲ チョウセンケナガニイニイ 橙色型 2012.10.13 対馬市上県町
 
▲ チョウセンケナガニイニイ 幹に止まる橙色型の新鮮な個体 2012.10.13    ▲ チョウセンケナガニイニイ (同左)  2012.10.13 対馬市上県町
▲ チョウセンケナガニイニイ 橙色型 2017.10.5 対馬市上県町 ▲ チョウセンケナガニイニイ 橙色型 2019.10.16 対馬市上県町
 
 途中からですが,運良く橙色型の羽化に出会うことができました。 時間経過は,

(12:53) → (13:00) → (13:04) → (13:05) → (13:08) → (13:21) → (13:23) → (14:17)
 ▲ チョウセンケナガニイニイ Suisha coreana (Matsumura,1927)  橙色型の羽化 2013.10.19 対馬市上県町  

▲ チョウセンケナガニイニイ Suisha coreana (Matsumura,1927)  橙色型の日中羽化 2020.10.06 対馬市上県町

 

 
バック ・ 標本画像
 
コンデジ(RICOH CX6)+LED2灯+フラッシュ使用で撮影,深度合成はしていません。
 ▲ チョウセンケナガニイニイ Suisha coreana (Matsumura,1927)  対馬市上県町産 14.10.06羽化 10.07撮影
 
  
【背面・腹面】
 ▲ チョウセンケナガニイニイ Suisha coreana (Matsumura,1927)  ♀は♂より一回り小さい。 ♂前胸背の毛が禿げているのが残念…。 ♂:2011.10.09 ♀:2011.10.10
 
    
 【正面・側面】
▲ チョウセンケナガニイニイ Suisha coreana (Matsumura,1927)  ♀の前胸背は♂に比べて盛り上がっている。 ♂♀:同上 
 
  
 【開翅】
 ▲ チョウセンケナガニイニイ Suisha coreana (Matsumura,1927)  前翅前縁基部の翅脈が盛り上がっていること,後翅のほぼ全面が橙黄色なのが特徴…。  ♂♀:2011.10.10


 



 ■資料画像・映像
昼間の12:40羽化場所を探して徘徊する幼虫がいました。
本種は他のセミより日中羽化の頻度が高く、この日は幼虫3個体、羽化途中2個体、羽化直後3個体を観察しました。 (2022/10/12)
 
▲ チョウセンケナガニイニイの幼虫 2022.10.12 対馬市上県町    ▲ チョウセンケナガニイニイの幼虫 2022.10.12 対馬市上県町 
▲ チョウセンケナガニイニイの幼虫 2022.10.12 対馬市上県町 
 

チョウセンケナガニイニイの日中羽化 
 
▲ チョウセンケナガニイニイの日中羽化 2022.10.12 対馬市上県町    ▲ チョウセンケナガニイニイの日中羽化 2022.10.12 対馬市上県町 
 
▲ チョウセンケナガニイニイの日中羽化 2022.10.12 対馬市上県町    ▲ チョウセンケナガニイニイの日中羽化 2022.10.12 対馬市上県町 
▲ チョウセンケナガニイニイの日中羽化 2022.10.12 対馬市上県町 
▲ チョウセンケナガニイニイの日中羽化 2022.10.12 対馬市上県町 


 
羽化後しばらく経過し、飛び立つ時を待っています。 
▲ チョウセンケナガニイニイの日中羽化 2022.10.12 対馬市上県町 
 

▲ チョウセンケナガニイニイ Suisha coreana (Matsumura,1927)  2021.10.10 対馬市上県町
▲ チョウセンケナガニイニイ Suisha coreana (Matsumura,1927)  自然死? 2021.10.10 対馬市上県町
▲ チョウセンケナガニイニイ Suisha coreana (Matsumura,1927)  2020.10.19 対馬市上県町 
▲ チョウセンケナガニイニイ Suisha coreana (Matsumura,1927)  2020.10.23 対馬市上県町
▲ チョウセンケナガニイニイの脱皮殻 Suisha coreana (Matsumura,1927)  2020.10.19 対馬市上県町
▲ チョウセンケナガニイニイの羽化 Suisha coreana (Matsumura,1927)  2020.10.19 対馬市上県町
▲ チョウセンケナガニイニイの羽化 Suisha coreana (Matsumura,1927)  2020.10.19 対馬市上県町
▲ チョウセンケナガニイニイ Suisha coreana (Matsumura,1927)  羽化直後と思われる個体 2020.10.19 対馬市上県町
▲ チョウセンケナガニイニイ Suisha coreana (Matsumura,1927)  羽化途中に襲われたのか羽化不全なのか 2020.10.19 対馬市上県町
▲ チョウセンケナガニイニイ 2020.10.13 対馬市上県町 ▲ チョウセンケナガニイニイ 2020.10.13 対馬市上県町
▲ チョウセンケナガニイニイの羽化 Suisha coreana (Matsumura,1927)  2020.10.13 対馬市上県町
▲ チョウセンケナガニイニイの羽化 Suisha coreana (Matsumura,1927)  2020.10.13 対馬市上県町
▲ チョウセンケナガニイニイ Suisha coreana (Matsumura,1927)  羽化直後の赤色型 2020.10.13 対馬市上県町  
▲ チョウセンケナガニイニイの脱皮殻 2020.10.13 対馬市上県町 ▲ チョウセンケナガニイニイの脱皮殻 2020.10.13 対馬市上県町
▲ チョウセンケナガニイニイ Suisha coreana (Matsumura,1927)  幼虫の脱出口 2020.10.13 対馬市上県町
▲ チョウセンケナガニイニイ 幼虫の脱出口 2020.10.13 対馬市上県町 ▲ チョウセンケナガニイニイ 幼虫の脱出口 2020.10.13 対馬市上県町
樹上から降ってきました。
キイロスズメバチがチョウセンケナガニイニイを狩った決定的瞬間か!と思ったのですが,よく見ると既にお亡くなりになっていました。生体でないと分かると,すぐに飛び去っていきました。
▲ チョウセンケナガニイニイの死体に関心を示すキイロスズメバチ Suisha coreana (Matsumura,1927)   2020.10.13 対馬市上県町
▲ チョウセンケナガニイニイの死体に関心を示すキイロスズメバチ Suisha coreana (Matsumura,1927)   2020.10.13 対馬市上県町
▲ チョウセンケナガニイニイの羽化 Suisha coreana (Matsumura,1927)  2020.10.06 対馬市上県町 
▲ チョウセンケナガニイニイの羽化 2020.10.06 対馬市上県町 ▲ チョウセンケナガニイニイの羽化 2020.10.06 対馬市上県町
▲ チョウセンケナガニイニイの羽化 2020.10.06 対馬市上県町 ▲ チョウセンケナガニイニイの羽化 2020.10.06 対馬市上県町
▲ チョウセンケナガニイニイ Suisha coreana (Matsumura,1927)  橙色型 2020.09.28 対馬市上県町
▲ チョウセンケナガニイニイ 橙色型 2020.09.28 対馬市上県町 ▲ チョウセンケナガニイニイ 橙色型 2020.09.28 対馬市上県町
▲ チョウセンケナガニイニイ 2020.10.02 対馬市上県町 ▲ チョウセンケナガニイニイ 2020.10.02 対馬市上県町
▲ チョウセンケナガニイニイ 2020.10.02 対馬市上県町産 ▲ チョウセンケナガニイニイ 2020.10.02 対馬市上県町
▲ チョウセンケナガニイニイの脱皮殻 Suisha coreana (Matsumura,1927)  2020.09.22 対馬市上県町
▲ チョウセンケナガニイニイの脱皮殻 2020.09.22 対馬市上県町 ▲ チョウセンケナガニイニイの脱皮殻 2020.09.22 対馬市上県町
 
   
例年だと多くの個体が発生している時期なのですが、鳴き声が全く聞こえてきませんでした。発生地が台風による流木で覆われ、土砂が流入したのが原因かもしれません。
脱皮殻はいくつか見つかりました。(2022/9/30) 
▲ チョウセンケナガニイニイの脱皮殻 Suisha coreana (Matsumura,1927) 2022.09.30 対馬市上県町 
 
▲ チョウセンケナガニイニイの脱皮殻 2022.09.30 対馬市上県町    ▲ チョウセンケナガニイニイの脱皮殻 2022.09.30 対馬市上県町 
 
   
羽化はほぼ地上1m以内で行われます。ごく稀に3m近くに達するのを見かけることもあります。 (2022/10/12)
 
▲ チョウセンケナガニイニイの脱皮殻 2022.09.30 対馬市上県町    ▲ チョウセンケナガニイニイの脱皮殻 2022.09.30 対馬市上県町 
 
▲ チョウセンケナガニイニイの羽化場所 2022.09.30 対馬市上県町    ▲ チョウセンケナガニイニイの脱皮殻 2022.09.30 対馬市上県町 ※矢印の脱皮殻 
     
 
   
オニグルミの梢で鳴いていました。通常このように細い枝に馬乗りになった姿勢をとります。余程のことがない限り下向きに止まることはありません。 (2022/10/12)
▲ チョウセンケナガニイニイの鳴く姿勢 Suisha coreana (Matsumura,1927) 2022.10.12 対馬市上県町 
▲ チョウセンケナガニイニイの鳴き声 Suisha coreana (Matsumura,1927) 2022.10.12 対馬市上県町 
 
   
地上近くで見られる個体の多くは♀です。♂の場合は羽化後間もない個体ではないかと思っています。(2022/1012) 
▲ チョウセンケナガニイニイ Suisha coreana (Matsumura,1927) 2022.10.12 対馬市上県町 
     
     
     
 


 参考文献  「日本産セミ科図鑑」(林正美他 2011)