2004年 対馬のむしムシ採集・観察記

採集・観察日(天気)
2004.10.30(曇時々晴)
  
採集・観察地
 A:上県町佐護椋梨
 B:上県町佐護深山 
 C:
諦めていた天気だったが,希望の薄日。
今日もまた,チョウセンケナガニイニイ君(♂)に会いに行くことにしよう。
ケナガに関しては,女神様,仏様,つれ合い様を連れて・・・。

●予鳴き 天気予報では曇か,へたすれば雨でも降るのではないかと覚悟していたら,朝から薄日が射している。

これが今年最後のケナガの調査になるかもしれないと思い,上県町佐護に出かけてみることにした。



佐護椋梨の発生地を前回とは別角度から…。



 チョウセンケナガニイニイの発生地 佐護椋梨

着いてしばらくたった午前10時過ぎ。

1頭が鳴き始めのウォーミングアップを開始した。

ジィ−−−−(約3〜4秒間)チィ−チィ−チィ−・・・(約5秒間に15回前後)

この鳴き方を20〜30回繰り返した後で,本鳴きチィ−チィ−チィ−に移行した。

この予鳴きは体温を上げるためのものかもしれない。



●ボキッ! 椋梨では♀もいなかったので,次の発生地佐護深山へ移動。



 発生地 佐護深山(右手の雑木林)

ここでも,わずか1♂が高いところで鳴いているだけ。



 佐護深山の発生地と鳴き声確認地点



川沿いの方は樹高4〜5mのヤナギに似た植物の群落が広がっている。

 ※hidebowさんにコウライヤナギだと教えていただいた。

奥の方で鳴いているのが聞こえてくる。

足場はよくない。

思い切って突っ込んでいくか,やめるか…。

チョット迷ったがもちろんGO!。

慎重に慎重に鳴き声に近づく…。すぐそばまで来ているのに,なかなか確認できない。

・・・と,飛んで,すぐ近くに止まってまた鳴き始めた。

カメラを構えたが,細い枝の重なりでピントが全く合わない。



 何というピンボケ 矢印の所に・・・
 樹木はコウライヤナギ Salix koreensis Anderss

ネットを慎重に近づける…。

・・・・あと10pというところで,また飛んだ!

奥にクモの巣にかかって,何とこちらに戻ってくる。

射程距離! 完璧! もらった!

えいやっ! ボキッ!  ギャオーッ!

網が…。グラスファイバーの柄が・・・わぉっ,真っぷたつ!?



 肝心要の時にご臨終です…。

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     (>_<)

今日は運がなかったのだと自分に言い聞かせる。

結石山城跡に上がり,昼食をとる。釜山は見えない。



●あこがれの♂ 帰り。

つれ合いが「もう一回,見てみようよ。」と言う。

ケナガに関しては女神様の御神託である…。

聞かないときっと罰が当たる・・・かも。



で,結果はというと,



 懸命に鳴いている♂ (2004.10.30 対馬市上県町佐護深山)



 ピントはかなり甘いが・・・。雰囲気は伝わるかと。
 樹木はコウライヤナギ Salix koreensis Anderss

今年のケナガは♂♀ともに生態写真を撮ることができたし,採集もできた。

しかも,抜け殻のオマケ付きで…。

発生個体数の悪さからすれば,上々のできであった。

来年の楽しみが一つ増えたなぁ・・・。