2004年 対馬のむしムシ採集・観察記


SuperZ林道
採集・観察日(天気)
2004.6.12(曇時々晴)
採集・観察地
 A:上対馬町SuperZ林道
 B:上県町深山−舟志線 
 
採集・観察日(天気)
2004.6.13(快晴)
採集・観察地
 A:上県町深山−舟志線
 B:上県町みやけ林道
梅雨の貴重な晴れ間を何とか生かしたいものだ…。

2004.6.12
●イノシシとダニと
先日のSuperZ林道には,久しぶりに心が躍った…。

ただ,イノシシがいるらしいこと,調査後ズボンにダニが付いていたことが少し気がかりではある。

今日は梅雨の晴れ間…。

ゼフィルスの生態写真をどうしても撮っておきたい。

つれ合いには気がかりなことは内緒にしているが,ズボンをはいていることに内心安心して出かけることにする。


●強風の中…。 林道では,ミスイロオナガ・ウラジロ・オオミドリの3種のゼフィルスが見られるものの,いかんせん風が強い。

チョウも強風の中で必死に飛び回っている…。

下草の方に流されてきたものを,撮ろうとするが…。


 ウラジロミドリシジミ♂

こんな感じが精一杯。

オカトラノオには新鮮なキマダラセセリが吸蜜に訪れている。


 ジェット機のようなキマダラセセリ

つれ合いが撮影できそうなチョウを見つけ教えてくれる。目が悪いのでとても助かる…。


 ミズイロオナガシジミ

対馬産ミズイロオナガシジミは,確か誰かが(藤岡?)亜種の記載をしたと記憶している。

どこがどう他産地のものと違うのか分からない。

少なくとも亜種とする以上,一見して「おっ,これは対馬産!」と区別できなければならないはずなのだが…。


 地面近くの葉上に止まるオオミドリシジミ♀

しばらくして,anbowさんがやってきた。

「こりゃあ,風がつええけん,できんばい…。」

天気も曇,気温も急激に低下してきた。

ということで,道半ばで引き返すことに…。


 クロツバメシジミ


 ホソバウマノスズクサの花
 ジャコウアゲハの食草になっているかは不明

つれ合いが捕獲したツシマ特産種のキリギリス


 ツシマフトギス♀


●ミスジポイントは 次に深山−舟志線に回ってみたが,ますます気温も下がってきて何もめぼしいものは観察できなかった。

ツシマウラボシシジミは端境期のようで,1頭も見られなかった…。

最後に上県町寄りで,対馬では比較的珍しいスジグロシロチョウ♀を得ることができた。

それにしても対馬に帰って以来,タイワンモンシロチョウの姿を一度も見ていない。

どう考えても異常である。

anbowさんも見ていないという…。何とも不可解である。


2004.6.13
●今日も風あり
朝から快晴…。
しかし,風が強い。



うーん,これではSuperZ林道は昨日と同じ状態のはずである。

迷ったが,ミスジチョウに絞って深山−舟志線に出かけてみよう。

ミスジポイントは発生初期の♂の活動(♀を探す)の時はいいのだが,発生後期は活動が弱まるらしく,待ち伏せは効率が悪い…。

そこで,つれ合いをナビゲーターに車で林道をぐるぐる回ることにする。

結果,8頭を目撃,4頭採集することができた。
これはすべて優秀なナビゲーターのおかげ…。

1頭は深山−舟志線,3頭はみやけ林道。

写真が撮れなかったのは残念だったが,そこそこ個体数が揃ったので他産地のものと比較する材料は確保できたのではないかと考えている。


●あじさい祭り 今日は上県町佐護(湊)であじさい祭りが催されているというので,行ってみた。

運動公園らしいところにいくつかの出店があり,ツシマウマの乗馬体験などで賑わっていた。

あじさいロードは,6分咲き程度であったが結構見応えがあり,歩いて楽しんでいる方も見られた。


 韓国の見える展望台


 うっすらと韓国が見える


 望遠鏡では建物も…。

韓国まで50キロ…。国境の島である。



■記録 ■チョウの採集記録■

 《採集》

 2004.06.12
 ・ウラジロミドリシジミ 3♂3♀
 ・オオミドリシジミ 1♂2♀
 ・ミズイロオナガシジミ 4頭
 ・スジグロシロチョウ 1♀
 ・キマダラセセリ 1頭

 2004.06.13
 ・ミスジチョウ 4♀
 ・スジグロシロチョウ 2♀