虫つれづれ 2004.8

index

ヒメダイコクコガネ
ヒメダイコクくん
08.31 8月最後の日…。  ヤクシマルリシジミ♀
08.30 どうにか…。  
ヒメダイコクコガネ♀
08.29 のろのろ・・・,でも…。  クロツバメシジミ
08.28 おまけ・・・  水生昆虫
08.27 夏休みの昆虫採集  アカマダラコガネ
08.26 う〜ん,猛烈台風が…。  オビベニヒメシャク

2008.08.31(火) 8月最後の日…。

季節は連続しているのだが,日めくりが一枚進んだだけで気分までリセットされるような感じがすることがある。

感覚的には今年の夏は終わった…。

虫では「・・何も〜ない♪夏ですぅ〜・・」だったなあ。

と,ふり返っていたら,おっとどっこいビッグニュースがあったのである。




対馬のチョウにNewフェイス!

おなじみのanbowさんとは,野外に出たときにお互い情報交換している。

知っている範囲で対馬でチョウをやっているのは,このショボクレた2人(失礼!anbowさんは違うかも…。)の他には,大御所A−uraさんがおられる。

A−uraさんのことはいずれ機会があれば紹介したいと思うが,対馬の蝶界はとっても寂しい現状なのである。



7月19日夜…。

『yohboちゃ〜ん,豆酘で変なルリシジミを採ったちゃばってんがぁ…。』

『タッパン(ルリシジミ)ともちがうし,ルリ(シジミ)とも違うようにあるバイ??』

これは一大事である…。

なぜならanbowさんが「変なのが採れた」と言った時は,過去の例から100%実際に変なのが採れているからである…。

オオモンシロチョウのときもそうだった。
             ・
             ・
             ・
翌日,現物と図鑑をを照合した結果,対馬初のヤクシマルリシジミであることを確認した。

ヤクシマルリシジミ♀(表)
ヤクシマルリシジミ Acytolepis puspa ishigakiana (Matsumura, 1929)

ヤクシマルリシジミ♀(裏)
同一個体の裏面(♀)

採集日:2004年7月19日
採集地:対馬市厳原町豆酘崎  採集者:anbowさん

1998年のオオモンシロチョウ・クジャクチョウ以来のニューフェイスだろう…。

本種は南方系の蝶で,温暖化により分布域が北上しているようだ。

対馬では今のところ,迷蝶だと思われる。今後,イシガケチョウと同じような経緯をたどって定着するかもしれない…。

蝶では、何もなかった夏の唯一の嬉しい出来事…。

 
2004.08.30(月) どうにか…。

つい今しがた、対馬の暴風雨警報が解除になった。

九州を直撃した台風は各地に大きな被害をもたらしたようだ。今回の台風で過去の年間最高上陸回数と並んだという…。

やはり異常気象というか・・・、確かに十数年前とは気候が変わってきたことは間違いないことを実感する。



フンチュウと呼ばれる虫をご存じだろうか?

漢字で書くと「糞虫」…。

動物の糞などを食べ、分解してくれる虫なのである。ファーブル昆虫記で有名なスカラベ(ふんころがしの仲間)も立派な糞虫である。

チョット気になる糞虫がいるので紹介したい…。

ヒメダイコクコガネ♀(表)ヒメダイコクコガネ♀(裏)
種名不明  体長18ミリ(左:表 右:裏)

ヒメダイコクコガネ♀
真横から

ヒメダイコクコガネ♀
やや斜めから

どなたか名前を教えていただけると嬉しいのだが…。

あっと、それから糞虫に興味がおあり方は、

「日本糞虫記」と「日本列島フン虫記」という素晴らしい本があるので是非読んでみられてはいかがだろう。

著者:塚本珪一  出版社:青土社

ヘタな自然保護関係の本より、読後感はきっと爽やかなこと請け合いなのだが…。

しかし、好きこのんで「くそむしフンチュウ」の本を読む人なんて、そうそういるとは思えないなあ…。

※連れあいの「品がない」という指摘により一部訂正 2004.08.31

※この糞虫はヒメダイコクコガネ♀のようです。 2004.10.09

 
2004.08.29( のろのろ・・・、でも…。

猛烈な台風16号は、九州の南海上を時速15qで北上しているらしい。

昨日から早々と家の周りの物を取り入れたり、誘蛾トラップ灯を撤去したりして備えているが、対馬は明日以降に強風域にはいるようである。

空もどんよりとしているが、雨はまだ落ちてこない。

それはそれとして…。




家の周りにタイトゴメがほんのわずか生えているのだが、そんな悪環境にもかかわらず、クロツバメシジミの姿が見られる。

クロツバメシジミ
クロツバメシジミ Tongeia fischeri (Eversmann, 1843)

今日は天気も天気だし、居ながらにしてのクロツバメ生態写真撮影をしてみようと思う。

→[採集観察記録へ]
 
2004.08.28( おまけ・・・

夜、明かりをつけていると実にさまざまな虫たちが集まってくる。

誘蛾灯を設置している第1の目的は、今住んでいるところの蛾のおおよその生息状態を知るためであるが、

「えっ、こんなもんまで飛んでくっの?」

と思える虫までやってくることがある。おまけでも楽しい…。

セミではニイニイ・ツクツク・アブラ・ミンミンがやってきた…。
その他、ハンミョウの仲間やトンボ(シオカラトンボ♂とウスバキトンボ)
蝶ではクロコノマチョウ・イチモンジセセリはいいとして、キタテハが飛来したのには驚いた…。

ミズスマシ・ゲンゴロウの仲間もよく来るので、今ペットボトルで飼っている。

ミズスマシsp.
種名不明

以前勤めていたところの屋上の水たまりにハイイロゲンゴロウがたくさん見られたことがあった。

アメンボやミズスマシ・ゲンゴロウの仲間は飛ばないと思っている人も結構いるのである…。
 
2004.08.27(金) 夏休みの昆虫採集

anbowさんが息子さんを連れて昆虫採集に行ってきたという。
何ともほほえましい。

学校の自由研究から昆虫採集が姿を消してどれくらいになるのだろう…。

ふた昔前頃まで,虫や植物採集は夏休みの宿題の定番メニューだったのだが,今では全く見られなくなってしまった(らしい)。

そういえば愚息が小学校の時(14年前),昆虫採集をするというので付き合ったことがあった。わずか2・3日で数十種の虫を捕まえ,名前を調べ丁寧に標本に仕上げた。
(その中には対馬で初めて記録されたアカマダラコガネも…。)

しかし,学校での評判はすこぶる悪かったらしい。

「あの時採ったヨツボシケシキスイは・・・・。」
大人になった愚息は今でもそんな思い出話をするのだ。

アカマダラコガネ
アカマダラコガネ Poecilophilides rusticola (Burmeister, 1842)
(1990.08.14 対馬市豊玉町)




昔の子どもたちは虫との様々なつきあいをとおして,自然に親しみ豊かな心を育んでいたに違いない。

カブトムシを飼って死なせたり,トンボに糸をつけて飛ばしたり,アリの巣をほじくってみたり・・・・・。
中には,図鑑で名前を調べてたりしながら…。

「少年の日に 蝶の名前を覚えしも 幸いのひとつ」

雑草という植物がないように,チョウという蝶はいないし,クワガタというクワガタムシはいないのである。

・・・・何かが,ずれてしまっているのだろう。
 
2004.08.26(木) う〜ん、猛烈台風が…。

接近中…。何でも920hPa、50mだとか・・・。

前回の台風も島内あちこちに被害があったようで、チョット困ったものだ。

子ども頃は不遜ながら台風が来ると聞くとわくわくしたものだ。子ども心に非日常的なことに共鳴していたのかもしれない。

虫に興味を持ったころも「台風=迷蝶の飛来」の図式ができあがってしまっていたが、さすがにこの年になると、できれば避けていってほしい…。

オビベニヒメシャク
オビベニヒメシャク Idaea nielseni (Hedemann, 1879)
[2004.08.26 対馬市上県町樫滝]
 
10mm足らずのとても小さな蛾だが結構美しい…。

最近のデジカメ性能に感謝!